412人が本棚に入れています
本棚に追加
「天,天后っι!?
どうして泣いてるのι!?
もしかしてそんなにあの名前が嫌だったι?」
「いえ…そうではなくて…」
寧ろ嬉しい。
ずっと闘将達が羨ましいと思っていたから。
急に黙り込んでしまった天后に昌浩は本気で焦りだした。
こんな所を彼女の同胞達に見られでもしたら何を言われるか。
特に二番手と三番手には今一番絶対に見られたくない。
「天后っι
本当に大丈…」
「昌浩様…」
「は,はいっι!」
いきなり天后に声をかけられて昌浩の肩がビクッと跳ねた。
見れば,まだ目元に涙を溜めてはいるが,穏やかな笑みを浮かべている天后がいた。
彼女の顔を見てホッとしたのか昌浩は息をつくと,温かな眼差しで天后を凝視する。
「ありがとうございます,昌浩様」
「気に入ってもらえた?」
「はい…。
嬉しいです。
大切に…させて頂きます」
昌浩は嬉しそうに微笑む水将を見つめながら名を与えて良かったと心から思った。
END
Next→あとがき
最初のコメントを投稿しよう!