罪と傷と安らぎを

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さようなら この世のすべてのしがらみよ 私の心を傷つける、人の心のおぞましさよ さようなら…さようなら…私は自覚する 自分の傷の深さを どれほど自分を追い詰めていたのかを もう限界だと、 私の中の私が云う いつか「表」の私が、 「裏」の私の思いに共感した時、 私は解放される さようなら 私の解放の刻は近い もうすぐ「表」の私が共感する 「裏」の私に侵食され――染まる 私を知る者よ 決して涙すな 私の傷はお前の存在によって刻まれたのだ お前は罪に苛め それが私の残せる唯一の復讐 苦しめ…苦しめ… 絶望より深く、 逃れることが出来ない罪の前にひれ伏せ お前たちの浅はかさを前にすれば、 私でなくとも何も云えなくなる 私は神ではない…決して けれどお前たちの心に傷を刻むまで、 死に逝く訳にはいかない それは「裏」の私が許さない この罪に逃げ道があると思うな 逃れようとすればするほど、 深みにはまっていくだけ さようなら… どうか私の魂が 一時の安らぎを与えられますように…
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