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「私の名前は古谷 恵美(ふるや えみ)。好きな様に呼んで。」
「…、では、恵美。私に名前を。」
「…、デク。デクでいいでしょ?」
木偶の坊の木偶だけどね。こいつにピッタリでしょ。
「…、デク…。デクですか。前と同じでいい名前です。」
前?前って…?もしかして…。
「前のマスターって、古谷 恵理(ふるや えり)って名前じゃなかった!?」
「えぇ。そうですね。私の一番好きなマスターでした…。しかし、私の力が一歩及ばず…。」
バァン!私は机を思いっきり叩く。そう…。お母さん…。お母さんでも…!
「ダメだったの…!?」
「え、恵美…。」
私のお母さんは…、死んだ。私を産んですぐに。そう、前回のこの殺し合いで…!!
「超えてみせるわ…!!お母さんも、他の人形師をも!!」
「恵美…。すまなかった…。」
こんなピエロの謝罪なんて聞きたくない…!!私が知りたいのは…、そう…!
「デク、貴方の力を見せてちょうだい!」
デクは、少し、寂しそうな悲しそうな顔をして…。
「かしこまりました。マスター、恵美。」
と、お辞儀をした。
…、私たちは夜の街に繰り出した。他の人形師を見つけるために。
「そう簡単には見つかるわけはないか…。」
そう言って、私は近くのベンチに腰をかけた。かれこれ3時間は街をさ迷ってる…。
けど、絶対にこの街にいる。この100年間、全てこの街で殺し合いを行ってきた。だって…、9体のキリングドールは、全てこの街で作られたのだから…。
「はぁ…。もう、あっちの方から来てくれないかなぁ…。」
「…、恵美。君は預言者でもあるのか…?」
「え…?」
デクが見つめる先には…、一人の、いや、一体の人形が…!
「恵美、下がってくださいませ。」
「…、言われなくても下がるわよ…。」
その人形は、服は軽装。手には長剣を持っていた。
「…、俺は3rdキリングドール(3番目の殺戮人形)。語る必要は無い。…、死ね。」
え…?3rd…?いきなりそんな上位のキリングドールと殺り合うの…?マジ…?
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