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「毎日、毎日毎日毎日…!だ、だから…、だから…!」
「遠藤…!」
「ぼ、僕は悪くないんだ…!わかってくれ…、水橋…!」
「遠藤っ!!」
必死に自分のやったことを正当化する遠藤。しかし、こいつがやったことは…!
「殺人なんだよ…!遠藤、お前がやったことは…!!」
「え…?ぼ、ぼぼぼ僕が殺人を…?」
やってしまったことは認めなければならない…。これは、どう見ても遠藤は殺人に関わっている…。
「ち、違うんだ水橋!聞いてくれよ!僕は何もやってない!…、そうだ!全部あいつがやったんだよぉ!!」
遠藤が血まみれの木こりを指差す。木こりは…、何も動かない。
「僕は何も関係ない!あいつだって…、僕とは何も関係無いんだよぉぉぉ!!」
はぁはぁ、と、息を荒くする遠藤。俺は、半ば哀れみの目で遠藤を見つめた。
…、その時…。
ギギ…。
遠藤の後ろで、沈黙を守っていた木こりが、急に動き出した。
「イッタハズダ…。ワレワレノソンザイヲミトメロト…。イマ、キサマハワレヲヒテイシタ…。ヨッテ…。」
木こりが斧を振り上げる…。そして…!
「シネ。」
その斧を、こちらに向かって投げつけた。
グシャァ!
その斧は、遠藤の首に突き刺さった。
「え、遠藤ぉぉぉぉ!!」
即死だった。遠藤はもう息はしていなかった。
「ギギ…。オマエ、テキ、シネ。」
俺は…、敵らしい。そして、殺されるらしい…。そんなの…!
「冗談じゃない!簡単に死んでたまるか!」
俺は遠藤をその場に置き、後退する。
ジャラララ!
木こりの斧が俺の髪をかすめる。どうやら斧の柄の末端に鎖がついているみたいだ。木こりは斧を拾い、鎖を掴んで斧をブンブンと回した。遠心力を利用して投げるのか…!
ジャラララ…!
「ぐ、当たってたまるか!」
俺は斧を警戒しながら徐々に後退していく。こいつから逃げるとすると…、障害物が多い場所に行くこと…!そして、こいつと戦うとすると…、武器を調達しなければならない!
よって、俺の家だ。そこまで行くことが出来れば、なんとかなるかもしれない…!
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