殺人劇、前座

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ドガァ! ズガァ! 俺の周りの道路や壁がヤツの斧によって破壊されていく。 もう少し…!もう少しだ…! 門が見えた。後ろからは、 ジャラララ…! と、言う鎖の音。俺は迷わずに飛び込む!   「はぁ…!はぁ…!」   とりあえず家の敷地内に入ることに成功した…。 背中が熱い…!どうやら斧が背中をかすめたらしい。 それでもヤツは執拗に家の中まで追ってくる…!   「クケケケケケ!」   気味が悪い声が聴こえてくる…。どうする…?そんな俺の視界に飛び込んで来たのは…、蔵だった。 あそこには、確か…。 ゴク…。生唾を飲む。あそこには、武器がある。しかし、それは同時に…、ヤツと戦うことを意味する。   「クケケケケケ!」   ヤツが近づいてくる。迷ってる暇は…!   「無い!」   俺は迷わず蔵に飛び込む。またもや間一髪で斧をかわし、斧は蔵の入り口にめり込む。   「ギギ…!?」   どうやら斧が予想異常にめり込んでしまったらしい。ヤツは入り口から入ってこない。 チャンスだ。ウチの屋敷には竹刀やら木刀やらゴロゴロ転がっている。だけど、今の俺の目的はそんなものじゃない。   「…、あった!」   蔵の一番奥には、刀…、もちろん真剣があった。おそらく、親父の物だ。小さい頃、ここで遊んでいて見つけたものだ。 ギシ…、ギシ…。 足音…。ヤツだ。俺は刀を構える。   「クケケケケケ…。」   先手必勝!俺はヤツに駆け込む!   「ギィ!?」   ギィン! 刃と刃が激突する。 一合、二合、三合…!ヤツも内心驚いているのか、動きがぎこちない。   「うぁぁぁぁ!」   俺がヤツの頭に刀を打ち込もうとしたとき…!   「ギィア!」   ドッ!…、バキィィィィ!! 俺は吹っ飛ばされた。…、どうやら蹴り飛ばされたらしい…。   「カハッ!おぇ…。」   口から血を吐いた…。舐めてた…。もしかしたら、あのまま勝てるかも、なんて考えていた…!   「クケケケケケ…。」   ヤツが斧を持って近づいてくる…。ここまでか…。
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