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ぶたやまさんは、きゃべつになったからだで、おろおろ、おろおろ。
どうしていいかわからないのです。
「おやおや、こいつはおかしな奴がいるぞ。」
小鳥が飛んできて、ぶたやまさんの頭にとまりました。
「ぶたのようだが、やさいのようにもみえる。かといって、やはり、植物じゃあなくて、生き物だが、こんな生き物は見たことがないぞ。」
ぶたやまさんは、えいっと、小鳥をつかまえると、
「うるさいぞ、うるさいぞ、おまえなんか、くってしまうぞ。」
そういって、小鳥を食べてしまいました。
食べてしまったあとで、とてもイヤな気持ちになりました。
だって、ぶたやまさんの姿は、たしかに小鳥の言った通りだと思えます。
ぶたやまさんは、誰かに見られていないかと、あたりをみまわしました。
「さてさて、また、誰かに見つかって騒ぎになってもおもしろくないぞ。どこかへかくれなきゃあいけないなあ。」
そうおもって、森へむかって歩き始めました。
ぶたやまさんの足取りは、トボトボとした足取りでしたが、あるいているうちに、体が軽くなったような気がします。
手をふって歩いていると、浮かびそうな気がするくらいです。
「うあ~。なんてことだ、これは、たいへんだ。」
両手を目の前にかざして、叫びました。
ぶたやまさんのからだが、今度は、鳥になっていたのです。
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