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ぶたやまさんは、考えました。
羽毛に隠れてわかりませんが、その小さな額は、古畑任三郎みたいにシワが寄っていたはずです。
「やはり、あのキャベツがおかしかったんだ。どうして何も考えずに食べちゃったんだろう。 キャベツだぞ。 それが、とことこ歩いていたんだぞ。普通じゃないって、なぜ、気付かなかったんだ、ああ。」
しかし、そんなことを後悔しても仕方がありません。
「どうゆう仕組みだかわからないけど、食べたものになってしまう体になっちゃったわけだ。ということは・・・。」
そうです。ぶたやまさんは、ぶたに戻る方法に気がつきました。
「いや、しかし、オイラがぶたを食べちゃうって言うわけには・・・。」
でも、他に方法が思いつきません。
「そうさ、お尻の肉を一口だけ。ぱくっと、いただいちゃえば良いんだ。ちょっと痛い思いをさせるだろうけど、背に腹は変えられないって。」
そう心に決めて、ぶたやまさんは、ぶたたちがいる草原へ向かいました。
「なるべく、一匹でいる奴を、他の奴らに気付かれないように。」ぶたやまさんは、まるでオオカミかライオンの心境です。
草原が見えるところまできて、草むらに隠れながら、様子を伺うぶたやまさんのすぐ近くに、おあつらえむきに、とぼけたデブぶたが昼寝をしていました。
「ああ、なんて都合のいい。」
ぶたやまさんは、静かに静かに近づいていきました。
目の前まで来て、じっと、デブぶたを眺めます。
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