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一ヶ月かけて、あと半分の所まで来ました。
二ヶ月かけて、公園に着きました。
母さんカメがリュックを開いて言いました。
「あら、缶切りを忘れたわ。」
父さんカメが坊やに言いました。
「おまえ、家に戻って缶切りを取っておいで。」
「え~、ボクのいない間にサンドイッチを食べちゃわない?」
「ああ、食べないで待っててやるから行っておいで。」
「ホントにぃ~? 約束だよ。」
しぶしぶカメの坊やは来た道を戻って行きました。
父さんと母さんはジッと動かずに待ちました。
二ヶ月が過ぎました。
母さんカメが言いました。
「そろそろあの子が家に着いた頃ですね。」
「そうだな。」
父さんカメが言いました。
「アナタ、少しお腹が空きませンか?」
「そうだな。」
「どうですか? サンドイッチをヒトキレたべませんか?
ええ、きっとあの子にはわかりませんよ。」
お父さんカメは少し考えていたようですがこう言いました。
「いいや、あの子が戻って来るのを待とう。」
ふたりは、また、ジッと動かずに待ちました。
またまた二ヶ月が過ぎました。
母さんカメが言いました。
「もう、あの子が戻って来る頃てすね。」
「そうだな。」
「どうですか、サンドイッチをヒトキレ食べませんか?
ええ、きっとあの子もすぐにあらわれますよ。」
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