第三章  坂崎コウ君の非日常②

3/5
422人が本棚に入れています
本棚に追加
/363ページ
キーンコーン。カーンコーン。キーンコーン。カーンコーン。 1日の終了のチャイム。 あぁ、全授業起きちゃった…。久々に。 イヤ、初めてか? 変な緊張感―――もとい強烈な殺意のようなものが、常に背中に突き刺さっているせいで、全く眠れない。 何にしても、今日は疲れた。 早く家帰って寝るとしよう。 教科書やら枕やらをバッグに手当たり次第に詰め込み、そそくさと帰る支度をしていると、肩を叩かれる。タカだ。 「災難だな。コウ」 「……それも大分酷いやつだ…」 「まぁ、授業を聞けっていう天からのお達していうこった」 「じゃあ、これは天災か?ならば、甘んじて受けよう。そして、早く去る事を祈ろう」 「そうしとけ。去るかは運次第だが。あぁ、それと今日俺用事あっから、一緒に帰れねぇわ」 「何の用事?」 「鷹虎への学校紹介」 「………可哀想な奴だね。お前も。同情するよ」 「お前の方がな」 「タカに同情された人間が3人中3人が死ぬ傾向にあるらしいよ。だから同情しないでくれ」 「それはそれで、面白いと思うがな」 「…ちょっと泣けてくる………じゃあ、今日は先に帰るよ……」 「おう。また明日な」 何にせよ。 帰りまで鷹虎と顔を合わせる事はないワケだ。 よかよか。さて、早く帰るか。
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!