第五章  坂崎コウ君の非日常③

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キーンコーン。カーンコーン。キーンコーン。カーンコーン。 チャイムが鳴り響く。 その合図を聞き、生徒たちは各々に自分の昼食を満喫すべく、行動を開始した。 たった一人を除いて。 む。また寝ていたようだ。もう昼休みか。 ま、今日は朝早かったからな。仕方ないといえば、仕方ない。 あー………腹減ったな。何か食うか。今日は朝飯もロクに食ってないし。 購買行こ。 寝起きのせいか、フラフラして覚束ない足を引きずりながら、購買部へ向かう。 周りを見ると、他の生徒も購買部へ向かうようだ。戻ってくる奴もちらほら。 やべ。 ちょっと出るの遅かったかな。しくったな。今更行っても、人が多くてウザいだけだし。 ………ちょっと遅らせるか。 とそんな思考に行き着いた時、廊下のトイレから鷹虎が出現。突然のことに頭が回らない。 やせいのデビルが現れた! 坂崎はモンスターボールを投げつけた! 相手のモンスターはゲット出来ない! 坂崎はマスターボールを投げつけた! 相手のモンスターはゲット出来ない! 下手こいたー!マスターボール使っちまったー! どうすりゃいいんだ………でも、そんなの関係ねぇ! 思考回復完了。 僕を見て驚く鷹虎。 鷹虎を見て驚く僕。 逡巡する素振りを見せたあと、鷹虎が突如、近寄ってくる。 な、なんだ。お前は目の前にいるだけで、怖いってのに。 「ちょうどよかった。………話がある。ついて来い」 と耳打ちし、歩き出す鷹虎。 何の話だ? ……………どうすっかな。 やっぱり何だかんだ言っても、関わりたくねぇんだよな。こいつとは。 ………逃げよ。 ついて来いと言われて素直について行く奴はアホなのだよ。君。 鷹虎が後ろを振り返らないのを良いことに、逆走する僕。 だって、彼怖いもん。
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