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キーンコーン。カーンコーン。キーンコーン。カーンコーン。
チャイムが鳴り響く。
その合図を聞き、生徒たちは各々に自分の昼食を満喫すべく、行動を開始した。
たった一人を除いて。
む。また寝ていたようだ。もう昼休みか。
ま、今日は朝早かったからな。仕方ないといえば、仕方ない。
あー………腹減ったな。何か食うか。今日は朝飯もロクに食ってないし。
購買行こ。
寝起きのせいか、フラフラして覚束ない足を引きずりながら、購買部へ向かう。
周りを見ると、他の生徒も購買部へ向かうようだ。戻ってくる奴もちらほら。
やべ。
ちょっと出るの遅かったかな。しくったな。今更行っても、人が多くてウザいだけだし。
………ちょっと遅らせるか。
とそんな思考に行き着いた時、廊下のトイレから鷹虎が出現。突然のことに頭が回らない。
やせいのデビルが現れた!
坂崎はモンスターボールを投げつけた!
相手のモンスターはゲット出来ない!
坂崎はマスターボールを投げつけた!
相手のモンスターはゲット出来ない!
下手こいたー!マスターボール使っちまったー!
どうすりゃいいんだ………でも、そんなの関係ねぇ!
思考回復完了。
僕を見て驚く鷹虎。
鷹虎を見て驚く僕。
逡巡する素振りを見せたあと、鷹虎が突如、近寄ってくる。
な、なんだ。お前は目の前にいるだけで、怖いってのに。
「ちょうどよかった。………話がある。ついて来い」
と耳打ちし、歩き出す鷹虎。
何の話だ?
……………どうすっかな。
やっぱり何だかんだ言っても、関わりたくねぇんだよな。こいつとは。
………逃げよ。
ついて来いと言われて素直について行く奴はアホなのだよ。君。
鷹虎が後ろを振り返らないのを良いことに、逆走する僕。
だって、彼怖いもん。
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