第五章  坂崎コウ君の非日常③

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ふぃーー。 ここまで、逃げりゃ大丈夫だろ。 面倒事からは逃げるのが、一番なのだ。 鷹虎は見えない。良かった。 あ、ちなみに、コレは小市民の誇りを汚す行為ではない。 コレもまた自分の意志による【逃走】。【逃げ】ではない。断じて。 …さて、購買へ行くか。 そして、歩き出し、購買部へ到着。 さてさて、何にしようか。 ボリューム重視ならば、カツサンド・カレーパン・コロッケサンドの三つだ。かなり腹は満たせる。 コスト重視なら、チキン・焼きそばパン・揚げソーセージの三つだ。なかなかに腹が満たせるし、安い。 旨さ重視なら、ハムサンド・ガーリックパン・チョコバナナorチョコドームパンだ。多少値は張るが、旨いし、腹も満たされる。 悩むな……。腹は減ってる。しかし金は問題ないが、節約するのは良い事だし。 悩んでいると、肩を叩かれた。It is タカ。 「今日は購買?」 「あぁ。久々だし。どれにするか、悩んでる」 よし。決めた。旨さ重視にしよう。たまにはいいだろう。 「せっかくだし、一緒に買ってこようか?ほら、今かなり混んでるだろ」 確かに……。面倒事を嫌う僕としては、中には入りたくない。 というか人口密度が苦手なのだ。ポケモンで言うなら、「こうかはばつぐんだ!」みたいな。「坂崎コウのスピードが、がくっ!と下がった!」みたいな。 なので、非常にありがたい提案である。 「あぁ……頼む」 やはり、優しいやつだ。コイツは。 お金を渡す。 「その代わり、今度ノートの分も含めて金よこせよ。今度【電撃魔法少女リサぴょん♪】のDVD買うんで、金貯めてんだ。頼むぜ」 ……オタクだが。生粋の。 つーか、リサぴょんはいくらなんでも痛い。出血多量で即死な勢い。
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