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そして、タカが購買の人混みに入って行くのを見送ると、また誰かに肩を叩かれる。
無意識的に振り向いた、次の瞬間。
体が浮いた。宙に。
何が起きた?
自分が宙に浮いた原因を省みる。
首根っこが締め付けられているような苦しさがある。
どうやら、首根っこが浮いたせいで、僕の体は浮いたようだ。
そして、それを掴んでいるのは鷹虎。
思考が停止する。
種も稲も種子もありません。デイビッド・カッパーフィールド降臨!という超魔術ではないらしい。
こんな軽々と僕の体を。
……………怖い。
怖いよ!下ろして!
いや、下ろして下さいませ鷹虎様!ホークタイガー様!
そして、そのまま歩き出す鷹虎。そして、耳元で一言。
「次…もし変な事したら………殺すぞ」
チビった。マジで。
もう高校生な僕。「友達ひゃっくにん出来るかな♪」の時代をとうに過ぎ去った僕が。
チビりました。母さん。中一の時にスイカを食べ過ぎて、怖い夢を見た時以来、久々にチビりました。いや、あれはお漏らしだ。落ち着け。ムーニーマンにお世話になった僕、落ち着け。
朝思った事を前言撤回。
確信した。
コイツは全然イイ奴ではない。
悪魔だ。悪魔くんだ。
少なくとも、人の気持ちを全く省みない点から考えて。
前略。母さん。あなたの息子は隣の席のホークタイガーに殺されて、短い生涯を終えるかもしれません。その時は、私の死体を火葬して、その灰を夕陽が綺麗に見える丘に蒔いて下さい。お願いします。
こうして鷹虎VS僕の直接対決が実現した。やけに強制的で一方的なものだったが。
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