第五章  坂崎コウ君の非日常③

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50キロはある僕の体を易々と持ち上げ、その重さを全く感じさせない足取りでドシドシ歩いていく鷹虎。 そして鷹虎は、僕を体育館の裏の庭に投げ捨てたのだった。 回想終了。 というか【投げ捨てる】ってどうなんだ。 ちょっと!鷹虎!これは、人権無視だろ! もっと人に優しくすべきだろ! だから、その睨みつける眼光を止めなさい!いや、止めて下さい!お願いですから! ていうか体育館裏って告白する気か! 僕に! 「俺…実はお前の事が…」みたいなやつか! 「俺も実は……お前のことが…」みたいなやつか! ちゃっかり承諾してる自分落ち着け! ふざけんなよ!僕は自分より背の高い彼女はいりません! 彼氏はいいのか、というツッコミはNG。 なぜなら、僕の初恋はナイスバディなニューハーフのお姉さんだからだ。 事実を知った時は素でショックで、一週間引きこもった。危うく彼氏と付き合うところだった。 カレカノならぬカレカレ。 ベリーアウチだ。痛すぎる。 もうあんな思いはコリゴリだが、もう騙されないか、と聞かれれば断言はできない。 だって、金髪好きなんだもん。 と、バカな事を考えている内に鷹虎が話し始める。 「………まずお前に聞きたい事がある」 何だ。 ニューハーフのお姉さんについてか。性転換してくれないか交渉しに行った時の話か。 つーか鷹虎、教室の時と口調変わりすぎ。 「お前は9月21日の夜、どこで何をしていた?」 9月21日の夜だと? 知るか。覚えてるわけがない。 いつも通りの日常を過ごしていた。 あ、FFやってたかな。
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