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50キロはある僕の体を易々と持ち上げ、その重さを全く感じさせない足取りでドシドシ歩いていく鷹虎。
そして鷹虎は、僕を体育館の裏の庭に投げ捨てたのだった。
回想終了。
というか【投げ捨てる】ってどうなんだ。
ちょっと!鷹虎!これは、人権無視だろ!
もっと人に優しくすべきだろ!
だから、その睨みつける眼光を止めなさい!いや、止めて下さい!お願いですから!
ていうか体育館裏って告白する気か!
僕に!
「俺…実はお前の事が…」みたいなやつか!
「俺も実は……お前のことが…」みたいなやつか!
ちゃっかり承諾してる自分落ち着け!
ふざけんなよ!僕は自分より背の高い彼女はいりません!
彼氏はいいのか、というツッコミはNG。
なぜなら、僕の初恋はナイスバディなニューハーフのお姉さんだからだ。
事実を知った時は素でショックで、一週間引きこもった。危うく彼氏と付き合うところだった。
カレカノならぬカレカレ。
ベリーアウチだ。痛すぎる。
もうあんな思いはコリゴリだが、もう騙されないか、と聞かれれば断言はできない。
だって、金髪好きなんだもん。
と、バカな事を考えている内に鷹虎が話し始める。
「………まずお前に聞きたい事がある」
何だ。
ニューハーフのお姉さんについてか。性転換してくれないか交渉しに行った時の話か。
つーか鷹虎、教室の時と口調変わりすぎ。
「お前は9月21日の夜、どこで何をしていた?」
9月21日の夜だと?
知るか。覚えてるわけがない。
いつも通りの日常を過ごしていた。
あ、FFやってたかな。
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