第一章  坂崎コウ君の日常①

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遅刻ギリギリ。 よくぞ間に合ったな、自分。 到着後、すぐHRが開始。 担任のどうでもいいお話が始まる。 授業参観がうんちゃら。 どうせ僕の親は来ない。来ても困る。 そして、HRが終わるとすぐ授業。 一時限目は古典。 教師のあまりにも悪い喝舌に失望。そんでふて寝。 自家用の枕を取り出し、寝る。 この感触がたまらん。 教師の方も慣れているのか、何も言ってこない。 そのおかげで僕の意識はドリームランドへ旅立てる。 お休みなさい。 キンコーン。カーンコーン。キンコーン。カーンコーン。 …………む。 チャイムの音で起床。 おぉ。もう3時限目か。しかも終了の。大分寝過ぎたようだ。 と、遠くの席から誰か歩いてくる。 「相変わらず、また寝てんのか。枕も出して。お前進級出来なくなんぞ。大丈夫なんか?」 あぁ、お節介が来た。 こいつの名前は佐々木隆則。 入学時、出席番号が近かったとかそんな縁で仲良くなり、今では数少ない友達の一人。バスケ部所属。 頭もいいし、スポーツ万能。しかし、オタクだ。生粋の。 まぁ………根はイイ奴だ。 「タカ……まぁ、その点は問題ないよ。テスト前に詰め込むから。そうすりゃ、ある程度はイケるし。てなわけで、またノート貸してね」 「…………お前ホント廃人だな。先行き不安だ」 「タカに心配される筋合いはないよ」 「確かにな…………ま、いいや。ノートは貸す。で、代わりに何か奢れよ」   「う………わかったよ。今度ね。今度」 「楽しみにしとくわ。ちなみに、コウ。次限は体育」 「………マジか」 「マジ。ゴリがキレんぞ」 「…………急ぐか」 「そうしとけ」 即、時速4キロで走り出す。つまり、歩きより遅い速度で。 その結果、頭蓋骨が少しへこんだ。 鐘が鳴り響く。 1日の終了の合図を受け、生徒が帰り始める。 クソゴリめ…おもっきし殴りやがって。放課後になってもまだ痛むぞ。 いつか、仕返ししてやりたいが…………サイヤ人にでもなれないと無理だ。しかし、知り合いにクリリンがいた覚えはない。どうすれば奴を……… とゴリ殺しを画策している内に我が家に到着。 バッグをベッドに投げ、即ゲーム開始。 中古で買ったFF。なかなか面白い。 その後、飯を食い、風呂に入り、そして夜11時には就寝。 非常につまらん生活である。しかしそれが現状。 僕は怠惰の支配する、つまらない日常で生き続けるのだ。 なにか変化が起きない限りは。  
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