第六章  鷹虎刹鬼くんの日常①

4/6
前へ
/363ページ
次へ
日が暮れはじめ、世界を橙色に染め上げる。そんな橙色の日の光を背に受けながら、帰路に着く者が一名。 ふぅ。疲れたな。 あいつと一緒にいると、楽しいが疲れる。ま、今日は映画も悪くなかったし、良かったか。案外。 ………にしても、喧嘩禁止ってのはなぁ…ツラいよなぁ。 絡んで来るのは向こうからだし、我慢すんのも癪だし、逃げたら逃げたでチキンとか言われるしなぁ………どれも嫌だな。 どうすっかなぁ…………マジで。 と考えている内に、我が家に到着。家の玄関には【鷹虎組】の文字。 はぁ……これ見る度に帰んの嫌になるんだよなぁ……ったく。 「お帰りなさいませ、若」 家に入るとすぐこれだ。全く。 俺は頭になんかなる気はねぇってのに。 シカトし、2階に上がる。そこで母さんを発見。 「………………ただいま」 「あら、お帰り。今日はデート?」 「別にそんな大したもんじゃねぇよ…………オヤジは?」 「お父さんなら、今日は集会らしいわよ。遅くまで、帰らないみたい」 「色々大変だな…。オヤジも。もちろん、お袋も」 お袋は俺のオヤジに見初められて、ヤクザの妻になった。 勿論親からは大反対され、しまいには勘当された。
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!

422人が本棚に入れています
本棚に追加