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日が暮れはじめ、世界を橙色に染め上げる。そんな橙色の日の光を背に受けながら、帰路に着く者が一名。
ふぅ。疲れたな。
あいつと一緒にいると、楽しいが疲れる。ま、今日は映画も悪くなかったし、良かったか。案外。
………にしても、喧嘩禁止ってのはなぁ…ツラいよなぁ。
絡んで来るのは向こうからだし、我慢すんのも癪だし、逃げたら逃げたでチキンとか言われるしなぁ………どれも嫌だな。
どうすっかなぁ…………マジで。
と考えている内に、我が家に到着。家の玄関には【鷹虎組】の文字。
はぁ……これ見る度に帰んの嫌になるんだよなぁ……ったく。
「お帰りなさいませ、若」
家に入るとすぐこれだ。全く。
俺は頭になんかなる気はねぇってのに。
シカトし、2階に上がる。そこで母さんを発見。
「………………ただいま」
「あら、お帰り。今日はデート?」
「別にそんな大したもんじゃねぇよ…………オヤジは?」
「お父さんなら、今日は集会らしいわよ。遅くまで、帰らないみたい」
「色々大変だな…。オヤジも。もちろん、お袋も」
お袋は俺のオヤジに見初められて、ヤクザの妻になった。
勿論親からは大反対され、しまいには勘当された。
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