第二章  坂崎コウ君の非日常①

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開け放たれた窓から外気が教室へと流れ込む。 冬も近くなってきたこの時節。予想以上に外気は寒い。のそのそと動き、窓を閉める。 その外気に身を竦ませながら、今日も教師の話を右から左へと受け流す坂崎くんなのであった。まる。特技、ムーディーリッスンをフル稼働し、視線は宙を泳ぐ。 まだ衣替えが始まったばかりだというのに、例年より寒いような気がするが、まぁ…眠い。 あー。眠い。 意味分からんくらい眠いな。全く。 現在、朝のHR。 これほどつまらん話を続けられる教師もすごいと思う。文化遺産だ。さっさと国宝にでもなって、国から回収されて欲しい。 ……………寝るか。 全くいつもいつも同じ事の繰り返し。 つまらん。細長い奴しか出ないテトリスくらいつまらん。いや……オヤジっちしか出ないたまごっちくらいだろうか?しかし、意外とあれはあれで面白い。オヤジっちはなかなかにプリチーなのだ。見どころによるが。すね毛とか。見たことないけど。 こんなことをいつも考えながら、ドリームランドに旅立つ。 が、今日は一味違った。 「えー……では、転校生を紹介する」 教室がざわつく。 まぁ、こんな時期に転校生なぞ、かなり珍しい。耳目の中心になるのも仕方ない。
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