-朔夜-

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 音を立てて地面を転がる拳銃と、それと同じ数の男達。  朔夜は確かに反撃した。相手が引き金を引く前に、動きから弾道を予測してかわし、急所を殴って気絶させた。  だが、朔夜が倒したのは七人。地面に転がるのは十三人だ。 「……助けてくれと、頼んだ覚えはない」 「ガキ相手に大の大人がよってたかって……見捨てるほど、薄情には出来てないんでな」  ニヤリと笑った男は、朔夜に手を伸ばす。 「来い。俺がお前を助けてやる」 「は?」 「俺がお前の飼い主だ」 「何言ってやが……」  朔夜は呻いて腹を押さえる。貧血で目がまわり、地面に膝をついた。  血が流れすぎたために、ひどく寒い。  そのまま地面にうずくまってしまった朔夜に、男が近づく。 「おい、傷を見せろ」 「……近寄るなっ」  青ざめてなお、鋭い眼光は力を失わない。  だが、重くさがる瞼にあらがえず、その体は力を失った。  最後に感じたのは、月よりも眩しい金髪と、ほのかに温かい腕の感触だった。
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