ジャンヌ・ダルク

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ジャンヌは1425年初めて「声」を聞いた。後の処刑裁判での答弁によると、聖女カトリーヌとマルグリット、そして大天使ミカエルの声であったという。「声」はジャンヌにヴォークルールの守備隊長ロベール・ド・ボードリクールに会い、オルレアンの包囲を解いてフランスを救うよう告げた。ジャンヌは「声」に従い1428年5月にボードリクールの元を訪れたが追い返された。 到着直前に伝令使は一足先にジャンヌの手紙を持ってシノンに入った。その知らせを聞いたシャルル7世は、いざジャンヌと会う際にちょっとした小芝居をしたと言われている。側近たちの中に紛れて王太子らしくない服装でジャンヌと会見したが、ジャンヌはすぐに本物のシャルル7世を見抜いた。ジャンヌとシャルル7世は幕僚たちから離れ、二人きりで話をすることになった。そしてジャンヌは、シャルル7世に「声」から授かったシャルル7世の正統性を証明する秘密の話をしたと言われている。これは王太子の兆候(シーニュ)に関する話であったと伝えられている。ジャンヌは後の処刑裁判でこの時の秘密の話についての内容を証言することをかたくなに拒み続けたため、現在ではどのような内容だったのかは不明である。 タカ派勢力は徐々に邪魔者になりはじめていたといえる。image=153123278.jpg
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