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何の連絡もなくなって、半年が過ぎた…。
突然ふと彼が、店に顔を出した…。私はレジを放り出して飛びつきたいほどだった…。
彼は私のレジにガムを買いに並んだ。
「久しぶりだな…彼氏は出来たか?」
久しぶりに彼の声を聞き、涙が流れた…。
「あともう少しで終わるから待ってて…」
私は小声で言ったが、彼は首を横に振った…。
そうして、そっと私に手紙を渡した…柴原は少し涙ぐんでいた…
《裕香…済まなかったと思っている…だが、俺には家庭があって、やはりそれは捨てられない。お前に気持ちを伝えれば押さえられなくなる…だから伝えなかった…言い訳に聞こえるかもしれない…だけど……後4年…お前に逢うのが早かったら……。最後位…ちゃんと伝えたかった……。裕香…今まで愛していたよ…ずっとだ……。幸せになれ…
柴原 》
涙が流れた…私はきちんと思われていた…確かに柴原は私が愛してる?と聞くと、悲しそうに笑って、私を抱いていた…。
柴原はずっと苦しんでいた。知らなかったわけではなかったが…私のせいで苦しんでいると、思いたくなかった…。
結局私は彼を苦しめていたんだ……。私が…。そう思うと、胸が苦しくなった……。
私は柴原を愛していた…柴原も私を愛してくれていた…それだけで胸がいっぱいになった…。
私はもう…当分恋はいらないと思った……。
それから一年が過ぎて、私は恋もしてない…誰かに恋をする気持ちにはなれなかった……。
柴原は今どうしているだろう。元気だろうか?体の弱い人だった…。そんなふうに一年を過ごしていた………。
いつの間にかスーパーのレジバイトの中で一番上になっていた…。
その時のマネージャーが私をバイトリーダー(バイトを束ねる役)にした…。もちろん責任があった…時には会議に出ることもしばしば……。
時給は780円から、980円にアップした…。
同じバイトの女の子(入って3ヶ月目)に「裕香さんだけ…なんであたしらより時給高いのか納得出来ません❗」
目の前で言われた…入って2年目の私が……3ヶ月の子に……。
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