1991年 冬

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1991年 冬

当時26歳だった私。 18歳で結婚して19歳の時に長女、22歳で長男、24歳で次男を出産して、子育てに奮闘中! でも、旦那との仲は最悪な状態… 理由は、旦那が大の仕事嫌いで、生活費は私のパート収入だけ。 オマケに暴力まで奮う男だった。 旦那に対してのストレスは溜まる一方。そんなある日、まだ幼稚園児だった長女の『あんな人ゴミの日に捨てちゃえ!』の言葉で離婚を決意。 すんなり応じるはずのない旦那に、私は『離婚大作戦』と銘打ち自分と子ども達の身の安全確保のため両親、親戚、友人を集め、旦那に離婚を切り出した。 離婚届を見た旦那は逆上し『ふざけんなよバカやろう!ガキじゃねぇんだぞ!簡単に別れねぇからな!』 と叫ぶ叫ぶ。 大声でまくし立てると相手が怯むと思い込むタイプの人間だった。 ひととおり叫び終わった頃、普段物静かな叔父が『お前は人間として最低だな』と言って旦那を思い切り睨みつけた。 叔父の気迫に怯む旦那。 私の友人(女性)が旦那の胸ぐらを掴んで『ほざいてないでさっさと離婚届かけや!』 と凄む。 私に助けを求めるように見る旦那。 『早く書いてよね!早く出したいんだからさ!』 というと、ガックリと肩を落とし、これでもかってくらいガタガタ震えながら離婚届にサインをしていた。 離婚届が受理され、晴れてシングルマザーとなった私は 『日本一明るい母子家庭にするぞぉ~!』と子ども達に宣言。 4人で『がんばるぞぉ』と拳を振り上げながら笑った。 心から笑った瞬間だった。 決して裕福じゃなかったけど休みの日は遊びに行き、給料日は外食したりとささやかだけど楽しく暮らしていた。 平穏な毎日がずっと続くと思っていた。 翌年の冬になるまでは…
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