第一章 冬になると

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第一章 冬になると

離婚から一年たち、生活が落ち着いてきた1992年の冬。何となくやる気が出ない… 仕事も家事もしたくない… 体がだるい… 一人になりたい… という気持ちが強く出てきた。 『きっと、結婚してた頃の疲れが出てきたんだなぁ』 と思っていた。 『ま!そのうち元気になるさ』 と、あまり気にしてなかった。 でも2月になると、気持ちが落ち込むことが多くなり、どうでもいいことで泣いたり『私ってダメな母親だな…』と自分を責めたり、妙に食べまくったり、そうかと思うと何日も食べなかったり。 子ども達が『ママどうしたの?大丈夫?』と心配そうに私を見ていた。 何かおかしいと思いつつ毎日を過ごしていましたが、4月になり、暖かくなると落ち込むこともなくなって、元の元気な自分になれたので 『やっぱり少し疲れてただけなんだわぁ』 と、ホッとしていた。 そしてまた笑い声が絶えない明るい母子家庭の毎日が始まった。 『さて、仕事がんばるぞぉ!』 と、桜の季節を迎えて気持ちも新たに再始動した私。 何せ12月から4月始めまでの間、仕事に行けたのは50日くらいで職場の人たちにかなり迷惑をかけてしまったにもかかわらず、『小さい子どもが3人もいるんだから』と暖かく見守ってくれた職場の人たちに、これ以上迷惑はかけられないと思って仕事に打ち込んだ。 春、夏、秋と季節は移ろい、子ども達も少しずつ成長して、私も一つ年をとってでも相変わらず笑いの絶えない家庭。 だけど… また冬がやってきた…
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