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もう会えないと思っていた人に、予想もしない場所で再会できた。
それは、私が通っている学校で、サンタさんは先生で私は生徒。
ねぇ、先生。
これだけ街はクリスマスで人が溢れているのに、再会出来るなんて運命だと思わない?
私はサンタさんに渡すはずだったショコラケーキを先生の前に差し出した。
不思議そうな表情を浮かべた先生が箱を受け取り、ゆっくりと中を開ける。
「これって‥」
「ショコラケーキだよ。この前チョコ貰ったでしょ?それのお礼と、毎日バイト先にお邪魔したお礼。いつもつまらないクリスマス時期をサンタさんと過ごせて楽しかったから、どうしてもお礼がしたかったの」
先生は教卓にそれを置くと、一つ摘んで口に放り込んだ。
私はどんな反応をするのか気になって顔を覗き込む。
「どうかな?」
「旨い!男のくせに、こんなこと言うの恥ずかしいだけどさ、甘いもの好きなんだよね。特にショコラケーキ♪」
満面の笑みを浮かべてそう言えば、また一つ摘んで口に放り込む。
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