聖なる夜に約束を‥‥

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「ねぇ、先生?私に恋の仕方を教えて?」 ───恋が始まる。 【聖なる夜に約束を‥‥】 街はすっかりクリスマスモード。 白い髭に真っ赤な服を身に付けて、毎年定番の格好をした人達が街中を賑わせていた。 沢山のイルミネーションが飾られて、あちこちを照らしていく。 そんな楽しい雰囲気なんておかまいなしに、私はふてくされながら歩いた。 クリスマスなんて、独り身の私には寂しい行事だ。 いつもよりラブラブなカップルが増えていくばかりで、そんなものを見せつけられて平気でいられる程私の心は広くなかった。 「クリスマスなんて嫌いよ」 ポツリと溢すように呟くと、目の前に定番の格好をした人が現れた。 私は歩いていた足を止め、目の前にいるサンタクロースという格好をした人をマジマジと見る。 すると、自分の手袋を外して私の右手に触れてきた。 包み込むような温かな感触。 私の冷えた手を、優しく温めてくれる。
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