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それに、ちょうど今日はクリスマスイブ。
家にいても、ラブラブなパパとママに邪魔者扱いされるから、それなら学校に行った方がマシだと私は思ってしまう。
年頃の女子高生がこんなこと思うなんて変かもしれないけど、仕方ないじゃない。
恋なんてしたことないし。
分からないんだもん。
教室に辿り着き、ガラッと扉を開けた。
今日の補習は数学。最悪なことに赤点だった。
ちなみに25点。
教室には、一人の先生がいた。
そう言えば‥‥
一年生の数学担当の先生は用事があって来れないから、二年生担当の先生が代わりに来るって聞いていたけど。
一度も会ったことがないから、顔も名前も分からない。
私の存在に気付いた先生は、作業をしていた手を休め私の方に目を向ける。
「あの、A組の天野です。補習を受けに来ました」
言いながら先生の元に向かった足をピタッと止めた。
教卓には沢山の折り紙と、ブッサイクな折り鶴が置いてあった。
その中に、小さなピンク色の鶴がちょこんとある。
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