第2章 巡り合わせ

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王都を遠回りに込むように進むと険しい山々がそびえ、その先にはいつくかの大きな森がある。 その森のずっと先にスフィアと呼ばれる森がある。 そこにたどり着くのは早くても1ヶ月かかる。 「この天気だ。これ以上先に進むべきではない」 リザードから降りて、リラの腰を掴んで降ろす。リキュアも同じようにリザードからマオを降ろそうと側によると、ディートがそれを止めてリキュアの代わりにやった。 姉弟とリキュアに慣れたのか、最初の頃よりもディートはギクシャクしなくなった。 4人は山の近くにある人が離れ寂れた村の廃屋で勝手に休むことにした。 「ヴァンさん、どうかしたんですか?」 見回りから戻った傭兵達は、王都が見える崖の近くの見張り小屋に入ったところで悪人面の男に聞いた。 「いや。さっきの子供連れの男の顔に見覚えがある気がしてな…」 ヴァンと呼ばれた悪人面の男はしばらく考え込んだが、思い出せなかったらしい。思い出すことをあきらめて、休むために防具を外そうと手にかけると外が騒がしくなった。 「ヴァンさん。騎士団の方が…」 外から見回りを交代した者が小屋の扉を開けてヴァンを呼んだ。 「珍しいな。こんな場所に騎士団が見えるとはな」 小汚い小屋でしかも王都から離れた場所に騎士団は滅多に現れない。現れる時は戦争の時ぐらいだ。 ヴァンはそう思いながらも、防具をつけたまま外に出た。 「この近辺の隊の指揮官だったんだな。ヴァン、久しぶりだ」 騎士団の先頭にいる銀の鎧を身につけた騎士団長が兜を脇に抱え、珍しい白い色のリザードから降りた。 「バーディス隊長…」 赤獅子と言う異名を持つのも頷ける赤い髪と瞳の男、バーディスがヴァンの前に立った。
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