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「ば~か!こんな時間に誰もいねぇよ」
外は真っ暗。
こんな状況になって初めて気づく。
タケは私にとって特別だったんだって。
田宮の手が制服の中に入ってくる。
「~~っ!!!」
やだやだやだ!
強く目をつむった瞬間。
「いだだだ……!!!」
田宮の悲鳴。
何?
恐る恐る目を開けると
見たことないくらい必死な表情のタケが田宮に掴みかかってた。
「悪いけど…汚い手でこいつに触んないで」
情けない悲鳴を上げて田宮は
逃げてった。
「な…んで」
聞こえるか聞こえないかの声で
呟くとキッと鋭い目で睨まれた。
「頼むから!危ないことすんな!!!」
そのままギュッと抱きしめられた。
やっぱり…ここが私の居場所。
「私…タケの横ならずっと居ても飽きないかも」
耳元で囁くと
タケが真っ赤になっていく。
「は…え?それって」
「何にもない!タケには彼女がいるしね」
タケの幸せを願うことにする。
今までずっと私のわがままに付き合ってもらったしね?
「え?…彼女なんていねぇよ」
「へ?」
「だって俺は!わがままで素直じゃない幼なじみがずっと好きだったんだから!」
てことはつまり…?
思考がグルグルと回っていると
チュッという音がして目の前には
いつもの笑顔のタケ。
棘を溶かすのは愛する人の
甘い甘いキス…。
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