13人が本棚に入れています
本棚に追加
「大歓迎ねぇ~…。」
ぴらぴらと柔道部の新入生歓迎のちらしを風に揺らし柔道場に向かう影。
「あの~…」
ガラッとプレハブ小屋の戸を開けると…
小柄な女の子が体格が自分の倍はあるような男を投げ飛ばしている。
気にくわねえ。
「おい…ここで一番強い奴、誰だ?」
男の声に部員たちが振り向く。
睨みを利かせる男たちの中で1人笑顔の女の子。
「私っ!!!」
無邪気に手を上げるその子を一瞥し、にこりと笑う。
「俺転校生なんだけどさ。手合わせしてくれよ?」
「いいよ!!!」
笑顔で始めたが…
結果はひまわりのボロ負け。
「何でっ!!?」
泣きそうな顔でそれでも涙を堪えている。
「あんな下心見え見えの男共とやってても上手くなんねえよ。」
ボソッと呟く転校生。
「え?」
「何でも。」
「あ…の!!!私の師匠になってくれない?」
「はぁ!!?」
「お願いしますっ!!!」
「俺もそこまで暇じゃねんだよなぁ。」
「何でもします!!!」
「ふ~ん…じゃあ泣き言はなしなっ!!!」
「はいっ!!!」
「よし!!!契約成立!!!俺は日野陽。よろしくなっ!!!」
最初のコメントを投稿しよう!