15人が本棚に入れています
本棚に追加
黒木「よかったぁ。じゃあよかったらヨット見学しに行かない?夕凪浜にヨット部の部室がいちようあるんだけど…そこも見てほしいし、ほら!やっぱヨットのってみて欲しいから。小さい子も一緒なんだけどね、やっぱり見るよりも実際に乗ってみたほうがいいでしょ?」
僕「はい、そうですね…どうせ暇だし行ってみようかな。」
その時、順が話を聞きつけてやったきた。
順「先生、僕もついていっても行ってもいいですか?」
黒木「本当?よかった。じゃあ日曜日に学校の校門で待ち合わせでもいいかな?迎えに行くから。」
僕「わかりました。楽しみにしています。」
そこに綾もやってきた。
綾「先生私もいい?」
黒木「綾さんも来てくれるの?嬉しい。じゃあ日曜日の8時ね。楽しみだなぁ。」
先生はとても嬉しそうだった。子供のような無邪気な笑顔で教室を後にした。
僕「8時かぁ…結構早いんだ。」
綾「私が起こしてあげるから大丈夫、寝坊したらだめだからね。」
順「敏弘は常習犯だからなぁ。」
僕「大丈夫だよ!!さぁそろそろ帰るぞ。」
順「そうだな。」
綾「だね、たのしみだなぁ。」
順「じぁ、俺ちょっと用事あるから先に行くなっ。バイバイ綾ちゃん。」
綾「ばいばい、気をつけてね。」
順は早足で教室を後にした。気がつけば綾と2人になっていた。
僕「さて、俺もそろそろ帰るかな。」
綾「ねぇ、一緒にかえろ?」
突然の綾からの誘いに僕は少し戸惑った。昔は朝から晩までいつも一緒だった二人…しかし時間の流れの中で2人は成長とて姉妹、昔とは違う…僕は綾を異性として意識し始めていたのかもしれない。それが綾に対しての照れくささになっていたのだと思う。
僕「あぁ。」
綾「じゃあ行こッ!」
僕たち2人は教室を後にした。校門から続く坂道を僕たちはゆっくりと歩いていた。桜の花がもうずく満開になろうとしている。2人の会話はどこかぎこちなかった。いや、僕がぎこちない会話にしていたのだろう。しかし話を重ねるつれてそれもなくなり、昔のように2人にもどりつつあった。ちょうど二人の進む先に犬の散歩をするお婆さんが歩いていた。綾はその光景を見ながら懐かしそうに話し始めた。
綾「ねぇ、あの犬可愛いね。」
僕「うん、凄く可愛い。」
綾「チョビの事覚えてる?」
僕「懐かしいね、もちろん覚えてるよ。」
最初のコメントを投稿しよう!