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日曜日
朝靄の坂道を僕は学校へと歩いていた。今日は、何故かいつもよりも早く目が覚めた。清々しい朝日に僕は、期待に胸躍らせていた。
綾「おはよぉー」
校門にはすでに綾がいた。
僕「おはよう、早いね。何時にきたの?」
綾「7時半ぐらいかな。」
僕の時計は7時50分を回っていた。
僕「早いねぇ、綾は時間には厳しかったもんな。」
綾は、昔から時間にはとても忠実だった。約束の時間にはいつも僕より早く来る。この辺は昔のまま変わっていないようだ。正反対に僕はとても時間にルーズであった。
綾「あたりまえでしょ!敏弘がルーズすぎるの。」
僕「ごめん、でも今日はちゃんと守ったし。」
そんな話をしていると、順が眠そうな目をこすりながらやってきた。
順「おふぁよぉーみんな早いなぁ。」
僕「また夜更かししただろ?」
順「うぅ…ゲームがいい展開でさ。」
綾「順君ってゲームばっかしてんの?…あっ!先生来たよ。」
黒木先生が車でやってきた。小さな可愛い車だ。
黒木「みんな、おはよう。さぁ、乗った乗った。」
僕たち3人は先生の車へと乗り込んだ。4人が乗り込むととても狭い。車の中には、香水の優しい香りが漂い80年代のフォークソングが流れていた。
黒木「狭い車でごめんね。ちょっとだけ我慢してね。」
僕「大丈夫ですよ。」
順「うん。」
順はそのまま眠ってしまった…よほど眠かったのだろう。
綾「小さくて可愛い車じゃないですか。」
黒木「そうかな?高校卒業して免許取ったときに初めて買った車なんだけど…そろそろ限界なのかな。」
先生の車は、走行距離がすでに10万キロを越えていた。海外のメーカーで作られた輸入車でいまではほとんど見かける事のないとても珍しい車だ。
僕「そんな事はないですよ、まだまだ整備すれば乗れるしもったいないですよ。」
黒木「そうかな?村上君って車詳しいの?」
僕「まぁ、少しだけですけどね。」
僕は、昔から車とか乗り物が好きだった。もちろん先生が乗っている車の事もよくしっていた。年代物の車とは言え価値のある車である事も。
綾「敏弘詳しいんだね。」
黒木「そうよね、いろいろ教えてもらおうかな。」
僕「いえいえ、それほど詳しくはないですよ。」
車は市街を抜けてしばらく走り続けた。しばらく走ると広い海岸線に広がるきらきらと光る海が見えてきた。
綾「ねぇ!!海だよ。綺麗だなぁ。」
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