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車は長いカーブを曲がってヨットハーバーへと入った。看板には、夕凪浜ヨットハーバーと書かれていた。
ゲートをくぐり駐車場へと向かう。先生は二階建ての白い建物の前に車を停めた。
黒木「到着したわよ。さぁ!降りた降りた!」
僕は順を起こして車を降りた。
綾「潮風が気持ちいいねぇ、順君!ちゃんと目覚まして。」
そういうと綾は順の背中をぽんと叩いた。
順「ありがとう綾ちゃん、もう大丈夫だから。」
僕「本当かよ?」
黒木「あはは。」
先生はその光景を見て笑っている。
僕たちは、先生に連れられて二階建てのプレハブ小屋の前にやってきた。建物自体は錆びているが頑丈そうな造りで、1階部分は車のガレージのようにシャッターがある。
黒木「ここが部室です。まぁ普通は艇庫って呼ぶんだけどね。」
僕「テイコ?」
黒木「そうよ、ヨットは艇って呼び方をするの。それを収めておく場所が艇庫よ。」
僕「へぇ。」
順「中は見れないんですか?」
順は子供のような目で建物を見つめている。きっと建物が秘密基地のようでワクワクしているのだろう。
黒木「いま空けるから待ってて。」
先生は、鞄からら鍵を取り出して鍵を開けた。
ガラガラと音お立ててシャッターが開いた。
中には小さなボートが…いやヨットが並んでいた。
僕「凄く中はは広いんですね。」
黒木「まぁね、前はもっと船があったんだけどみんな古くなってしまって今はこれだけ。」
順は、艇庫の中を興味深そうに見て回っている。
綾「女子部員とかもいたんですか?」
黒木「いたわよ。もちろん私だってその一人だしね。」
綾「そうでしたね。忘れていました。」
艇庫の中にずらりと並んだ4艇のヨットは、どれもうっすらとほこりをかぶっていて長い間使われていない様子だった。
しかし、整備はよく行き届いていて、いつでも使えるような感じであった。
僕「これってすぐに乗れるんですか?」
黒木「乗れるわよ。ただ…村上君たちじゃまだまだ難しいと想うから、今日は私が乗せる事にするね。階段上ったところに更衣室があるから荷物置いて着替えてきて。」
僕たちは、艇庫のにかいにあるこうにかいにある更衣室に向かった。更衣室の中にはロッカーが並んでいて、部屋の真ん中には長机と椅子。
順と僕が着替え始めるとう綾が恥ずかしそうに行った。
綾「あの…私が居るの忘れてない?」
僕「あっ!ごめん。」
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