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「皆の者良く聞け」ガルブレイクが、全員に行き渡る程の大声で叫んだ。
「ついに我等が王バラムンディ様が炎帝の居所を突き止めたぞ。」
周りから、どっと歓声がわく。
「奴がこの村に居ることは間違いない。奴はまだ記憶と魔力を完全に取り戻していない。奴を殺すのは今が好機、この村の全員皆殺しにするのだーーーーー!!」
オオオオォォォォォ!!
ガルブレイクのその言葉に、魔物全員がさらに大きな声を張り上げた。
「だが皆の者、襲撃は明日までまて。」
ガルブレイクがそう言うと、魔物の大群の中から「何故ですっ!」や「今すぐ殺しに行きましょう」などの声が飛び交った。
その騒ぎ立てる集団に向かって「静まれ馬鹿共っ!!」っと一喝した。
ガルブレイクの一喝によりしんと静まり返った沈黙を破ったのは一匹の魔物だった。
「では何故襲撃が今日でなく明日なのかという理由だけは聞かせていだだきたい」
魔物がそう質問すると、ガルブレイクは「いいだろう教えてやる」と言って説明を始めた。
「何故今日ではなくて明日なのかと言うとな、あの村は明日感謝祭だからだ」
その言葉を聞いてた魔物たちは「なるほど」という声を上げた。
さらにガルブレイクは続ける。
「祭りなどの時はたいがいの人間が武器などを家に置いている。その絶好の機会を狙うのだ」
ガルブレイクの説明で、全員の魔物が納得した様子で、オオオオォォォォォと再び叫んだ。
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