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そう言うとジェドはまたスタスタと歩き出した。
(あーあジェドと一緒に昼食、食べたかったなぁ~)
エリーは心の中でそう呟くと、買ってきた昼食を開けて食べ出した。
(この気配…魔物だな…数は…八百くらいか…、おそらく狙いは炎帝だな……ふんっ炎帝も舐められたもんだな。向こうはたった八百で炎帝を倒せるとでも本気で思ってるんだろうか?いくら記憶を失っているとしても魔法は感覚で覚えてるだろうし。まっいいや取りあえずさっさと倒してエリーと一緒に出店回るか)
そんな事をジェドが思った刹那、エリーが居た場所から膨大な魔力を感じた。
(この感じ…闇魔法!!)
ジェドは、はっとして今来た道を走って戻りはじめた。
(八百匹も囮に使って、一番強い奴が村人を皆殺しにすっるっつう策略かよ!頼む間にあってくれ)
エリーは昼食を食べているとジェドが周りの人を突き飛ばしながら全力でこっちに走って来るのが見えた。
(何やってんのあいつ?)
ジェドは、エリーの所まで来ると、エリーを抱きしめてしゃがんだ。
「ちょっ!やっ!ジェドっ皆見てるよっ!」
そう言ってエリーがジェドの腕から逃れようとすると、ジェドは「動くなっ!!」っと言って怒鳴りエリーをさらに強く抱きしめた。
次の瞬間、
ドゴォーーーーーーーーー!!
黒い波動が、人も出店もなにもかも巻き込んで通過していく。黒い波動が通り越した後にはジェド達以外何も残っていなかった。
エリーは閉じていた目をゆっくり開いた。そこには何も無かった。
「!!!!」エリーは驚きを隠せずにいた。
そして自分の体に付いている赤いドロッとした液体に目を奪われた。
「ジェドっ!!」
ジェドは、左腕と両足と引き換えにエリーを無傷で守っていた。
「待ってて今止血するから」
そう言ってエリーは、自分の服を破りその布で、止血を始めた。
そんなエリーにジェドは。「大丈夫、これくらい自分で止血出来る」
ジェドはそう言うと、傷口を自分で凍らせて止血した。
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