魔物来襲

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その様子を、ガルブレイクは見ていた。 (驚いたな…まさか俺の魔法が防がれるとは………まあいいさっさと殺すとするか……) ガルブレイクは剣を片手にジェド達に近づいていった。 ジェドは物陰から出て来るガルブレイクに気づくと、エリーに「俺を置いて早く逃げろ」といった。 しかしジェドが言い終わったと同時に、すでにエリーの後ろにガルブレイクは立っていた。 エリーも殺気に気付いたらしく、顔が青ざめている。 ガルブレイクは、素早く座り込んでいるエリーの腕を後ろに回し、魔法で作った糸を手首に巻いた。 ガルブレイクはエリーの自由を奪った後。エリーの肩より少し長い髪の毛を掴み、エリーの身体を地面から五十センチほど浮かして背中に剣を突き付けた。 正座で少し前かがみのような体勢をさせられているエリーを見てジェドは、 「や…止めろ」 と言った。 しかしガルブレイクはそんなジェドを無視してエリーに、 「おいっ、何か言っておきたいことねぇか?」 と聞いてきた。 するとエリーは、 「こんなのが最後だなんて…最悪だよ、でも言いたい事はちゃんとあるから聞いてジェド…… ジェド…大好きだよ」 と言った。 その言葉にジェドは、 「俺もだ…エリー」 と答えた。 「言い残すのはそれだけか?よしっじゃあ死ね」 「やっ、止めろーーー!!!」 グサッ ガルブレイクの剣は、下着姿のエリーの背中を貫通し、胸元から出た剣は地面に刺さっていた。 「ゴホッ!あ…あ…」 エリーは口から大量の血を吐いた。しかしガルブレイクはまだエリーの髪の毛を掴んで放さない。 「おいおいこりゃまた盛大に吐いたな、おらっさっさと血を吐いて死にやがれ」 ドゴッ ガルブレイクはそう言うとエリーの傷口を思い切り殴った。 「があっ!うっゴホッ!…ぐふっ……はあはあ……おええっ!!」 ビチャビチャッ!! 血や嘔吐物などが地面に広がる。
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