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「一体何が…」
そう言ったジェドはある事に気付く、それは魔力の中心に目を閉じて、立ったまま空中に浮かんでいるエリーの姿であった。
「エリー!!!」
ジェドは大声を出して彼女を呼んだ。
すると、だんだんと魔力の放出が弱くなりエリーが魔力から解放されたように、フワリと地面に着地する。
「ジェド……」
着地した途端、エリーはそう呟くと気を失ってバランスを崩し、駆け寄って来たジェドに受け止められた。
「良かった…本当良かった…」
ジェドは、また涙を流していた。
―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―
エリーをおんぶして帰っていると【もちろん、もう新しい服を着ている】、レイとラファエルが歩いて来ているのが見えた。レイとラファエルはジェドに近づくにつれて、顔色がだんだん悪くなっていった。
「ジェド、どうしたんだっ!!大丈夫かっ!?」
ラファエルは、珍しく大声で問い掛けて来た。隣に居るレイもジェドの事を心配している。ジェドはエリーを起こさない様に気を遣いながら、ラファエル達に今までの事を説明した。
「しかし、これからその身体では何かと不自由だろう」
ジェドの両足と左腕を見ながらレイが言った。するとジェドは何故か得意げな表情で、空間に魔力を集めだした。
シュウウウウウ、カッ
ゴロン
ジェドが作り出したく氷の中には、ジェドの両足と左腕が入っていた。
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