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代わり映えのない日常を過ごしていた。
彼女との関係も、相変わらずよくないまま。
今日は2学期の終業式。
冬休みを迎える嬉しさに心を踊らせていた。
終業式も終わり、みんな教室に戻っていった。
『あぁ~ 後は先生の長い話しを聞いたら冬休みだぁ~』
そんな言葉を漏らしながら各自の席に腰を下ろした。
『みんな席に着いたなっ!』
先生は話しを続ける。
『えぇ~ これで2学期は終了するんだが…』
クラスのみんなは嬉しさで少しザワつく。
『こらぉ まだ終わってないぞ! 静かにしろ!』
先生は一括入れ、話しを進めた。
『えぇ~ これからみんなに一つ 話しとくことがある』
何だ?というような顔をした生徒たちを先生は見回し、更に話しを続けた。
『佐藤!』
『来なさい!』
佐藤とは、あの転校生のことだった。
佐藤を呼ぶ先生の声は、いつもとは明らかに違っていた、優しさの中に悲しみも含まれたような呼び方だった。
佐藤はゆっくりと立ち上がり、教壇に立つ先生の下へと歩みを進めた。
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