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監禁生活一日目。
もう時計の針は夜の10時を指してる。
そして未だに縛られてる訳で…。
お腹も空いてくる訳で…。
美音は台所で食事の支度をしている。
『先輩の為に夜ご飯頑張っちゃいますからぁ💕』とか言ってたけな…。
さっき教えてくれたけど、どうやら美音は一人暮らしらしい。
両親は揃って海外出張中というベタなオチだ。
『はぁ…』
さっきから溜め息しか出ない。
『この先どうなるんだ、俺…』
不安だ。
不安に押し潰されそう。
『何が“旅に出ます”だ…』
――――――――――――――
訳あって暫く旅に出ます★
探さないでください、立派な男になって帰ってくるのでお楽しみに✌😏
追伸 可愛いお嫁さん〓も連れて帰ってくるので、そちらもお楽しみに💕
――――――――――――――
上の文章は、美音が俺のケータイを勝手に使って親に送ったメールの内容。
『もうね、アホかと…』
『アホぉ…ですか?』
『うわぁ!』
いつの間にか美音が部屋に入って来ていた。
手にはカレーを持ってる。
『そんな驚かないでくださいよぅ。お腹空いてるでしょ?、カレー作りましたぁ💕』
『空いてくるけど、両手縛られてて食べれないんだけど…』
『美音が食べさせますから安心してください♪』
『いや、自分で食べます…』
『却下』
ぁ、やっぱりね。
『それじゃ先輩♪、冷えない内にぃ、はぃ…あぁ~ん💕』
ち、ちくしょう。
正直かなり魅力的な行為だけど…だけど!。
ここで屈してはいけない!!。
『……』
『もぉう、せんぱぁ~い、お口を開けてください…、カレー冷えますよぉ?』
こうなりゃ最終手段だ。
『カレーを床に置いてくれ、犬食いするから』
『は?、何言ってるんですか?、そんなのダメです、美音が食べさせるって決まってるんです、犬食いなんて絶対に許しませんよ』
通じねぇ!。
てか何か感じ変わったよ!。
恐いんだけどぉ(涙)。
『さぁ、早く口を開けて、ほら早くです、早くしてください冷えます、せっかく美音が先輩の為に作ったのに無駄になるじゃないですか、とっとと開けて、早く早く早く』
だめだ、恐い…。
『ちくしょーう!!!!』
そう言って俺は口をユックリと開けた。
スプーンでカレーが俺の口へと運ばれて行く。
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