一章

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「うわ……」 由緒正しき日本建築。広大な庭園が広がり、奥に大きく構えた屋敷。松の木や池が、その存在を引き立てる。 「…地震とか来たら一発で倒壊しそう」 菅野 春は、屋敷を見て一言呟いた。 「そりゃ古いからなぁ…て、ちげぇ! お前ほかになんか言う事ねぇのかよ!? でけぇとか、こんなトコ一人で住んでいいのかとか!」 「だって気になるじゃん?」 「お前だけだよ……」 脱力した兄を軽く流してズカズカと屋敷に上がり込む。 春は今日から、この屋敷の主なのだ。
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