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2回目の抗がん剤をうつ為におかぁは再び入院。
私にも病院通いの日が始まる。
朝から病院に行くと、点滴が小さくなっていた。
『おはよう!あれっ?抗がん剤変わったん?』
知らないフリをする…。
『そうやねん。前のやつはちょっとしかガンが小さくなれへんかったんやって。
でもちょっとでも小さくなって良かったわ!』
と、おかぁは全然疑ってはいなかった。
『ほんまやな。次はもっとちっちゃくなったらいいのになぁ!』
と私も言う。
でもこの時、またおかぁに嘘をついた事に心が傷んだ。
これから先、いくつ嘘をつかなければいけないのだろう…。
ついた嘘をちゃんと覚えていないと、いつかボロが出る…。
おかぁの笑った顔が、私は痛々しく感じた…。
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