8031人が本棚に入れています
本棚に追加
/371ページ
おかぁが筋腫の時からお世話になっていた先生。
若くて話し方の優しい先生だった。
季節が冬を終わろうとしていた頃、主治医の先生が母校の大学病院へ戻るという噂が出回った。
『まさか…。』
私はそう思っていたが、その噂は現実になる。
心を連れてその日も朝から病院へ行くと、おかぁが言ってきた。
おかぁ『先生やっぱり大学に帰るんやって。昨日言いに来たわ。』
『そうなんやぁ…。じゃあおかぁの先生は誰になるん?』
おかぁ『もう1人先生居てるから、その先生やと思うで。みんなも(病院の友達)その先生やしな。』
『そっかぁ!』
そんな会話をおかぁとしたが、私の中ではその先生が信じれなかった。
そんな簡単に自分の患者を置いて帰るなんて…。
おかぁは普通の病気じゃないのに…。
そんな事を思っているとおかぁがゆっくり話しだした。
『何人かの患者さんは、先生と一緒に病院変わるみたいやよ。
でもお母さんは嫌やねん。
京都の大学病院みたいやから、病院変わったら友香通われへんようになるやろ?
子供連れて電車で通うのは絶対しんどいから!
それに次の先生は、数少ないガンの専門医なんやって!!
面白い先生やから楽しみにしときな(笑)』
そう言った。
最初のコメントを投稿しよう!