主治医

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おかぁが筋腫の時からお世話になっていた先生。   若くて話し方の優しい先生だった。           季節が冬を終わろうとしていた頃、主治医の先生が母校の大学病院へ戻るという噂が出回った。           『まさか…。』   私はそう思っていたが、その噂は現実になる。             心を連れてその日も朝から病院へ行くと、おかぁが言ってきた。     おかぁ『先生やっぱり大学に帰るんやって。昨日言いに来たわ。』       『そうなんやぁ…。じゃあおかぁの先生は誰になるん?』       おかぁ『もう1人先生居てるから、その先生やと思うで。みんなも(病院の友達)その先生やしな。』       『そっかぁ!』             そんな会話をおかぁとしたが、私の中ではその先生が信じれなかった。     そんな簡単に自分の患者を置いて帰るなんて…。           おかぁは普通の病気じゃないのに…。                 そんな事を思っているとおかぁがゆっくり話しだした。     『何人かの患者さんは、先生と一緒に病院変わるみたいやよ。 でもお母さんは嫌やねん。 京都の大学病院みたいやから、病院変わったら友香通われへんようになるやろ? 子供連れて電車で通うのは絶対しんどいから! それに次の先生は、数少ないガンの専門医なんやって!! 面白い先生やから楽しみにしときな(笑)』   そう言った。
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