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「どうして私の名前」
「さぁ、何故でしょう?」
問いかけたはずなのに質問されてしまった。
未央はムッとして「知りませんよ」と顔を背ける。
今更になって、どうしてあの角を曲がったのかと後悔した。
「めぐみです」
「は?」
突然訳の分からない事を言われて、思わず顔を戻してしまった。
始めと変わらない爽やかな笑み。
「私の名前ですよ。めぐみです」
「はぁ」
なんの突拍子もない自己紹介に未央の頭は混乱した。
「これでフェアでしょう、ミオさん」
クスクスと笑う男──改めめぐみに、未央はどこか腑に落ちなかったが、取りあえず頷いた。
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