LOSTエンジェ第三章 消えた友情

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ミライとの電話は激しい爆発音とともに切れる。 ハルトは上を見る。 見ると東京B1区の巨大な17本の柱が全て爆発し、崩れている。 「やばいな………」 徐々に天井全体に亀裂が入り、崩れ、全てが落ちてくる。 「エレベータに逃げ込め!!」 ガードマンの一人が降ってくる石に頭を打ち気絶する。 「くそ!!」 ハルトは影移動でガードマンを抱え一瞬でエレベータに運ぶ。 そしてハルトたちに耳をふさぎ、目を瞑る。 地響きは5分以上経った後おさまる。 ハルトは目を開け、周りを見ると、エレベータのエレベータの出入り口は岩で完全に塞がれていた。 アヤネは絶望する。 「………そんな………人が……」 ハルトもまた絶望する。 「…なんで…なんでだよ…なんでそんなに殺すんだよ!!シスト!!!」 ハルトの目からは、まるで憎しみを表しているような黒い涙が流れる。 「…殺す……」 ハルトは無意識にそう思った。 「アヤネ………どうする?これから」 「………………」 ハルトは気まずい雰囲気になる。 「…優しいんだな……うらやましいわオレ…。 ここの人たちの事…忘れんな…」 するとハルトはそっと手を差し伸べる 「…上にあがるぞ…」 「無理だよ…パスポート…あれがなくちゃ犯罪なんだよ…?」 「そんなの街がなくなってしまえば関係ねぇだろ…オレん家親いねえから部屋貸してやるよ…」 アヤネは涙を拭き「わかった…ありがとう…それと…ごめん…」と悲しそうな顔をし、笑顔で答える。 ハルトたちはそうして非常階段を使い上に向かっていった。
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