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みんなはまだスタートした直前だった。
しかもバカにしているかのように走るのが遅い。
ミライはみんなが全員で教師をからかっているのだと思い爆笑した。
だがゴール地点の教師もタイムを測る生徒もみんな動きが鈍い。
教師も自分の事を見て驚いているような顔をする。
「…」
その時ミライは異変に気付く。
「嘘…だろ」
その後、クラスはミライの話題でにぎわう。
クラスの生徒はミライの事を凄い人だと言うが、
ミライは全く嬉しくもなかった。
むしろショックを受けていた。
ミライは自分の過去も自分の親も全くわからない。
そのうえ、人間離れした能力を持っている。
ミライは自分の事が化け物なのではないかと思う。
ハルトとシストが心配そうに話しかけるが、ミライにはそれが逆効果だった。
ハルトやシストから発せられる声は全てが鈍くスローに聞こえる。
「ごめん…今すっげー気分わりーや…」
そしてミライは早退してしまった。
ミライは落ち込みながら国道を歩いていく。
ミライは隣を見る。
普段と同じように歩くのに、歩くだけで車を抜かしてしまう。
ミライはその時、自分の時間が普通より早い事に気が付く。
それを理解したミライは、自分の過去を知りたいと強く思った。
そしてそれを知るまで、自分の特別な能力として受け止める事にした。
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