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最後に自分の能力に気が付いたのが賢崎シストでった。
シストは外国育ちの日本人で両親は外国に住んでいるため一人暮らしである。
学校ではわりと人気な存在で彼女がいる。
趣味は音楽を聞くことで、どこにでもいるような普通の高校生である。
あの時が来るまでは…。
シストは能力に目覚めたと言うより能力に気が付いたと言うのが正しい。
シストは今までケガや病気にかかったコトがなかった。
それは、ただ運がいいだけだと思っていた。
だがシストはある事件をきっかけに能力に気が付く。
それはシストがいつもどうり学校に通学していた時、突然起こる。
シストは毎日地下のリニアモーターカー(地下鉄)に乗って通学している。
いつもと変わらない風景が映っていた。
だが…その日は違った。
突然、車内に物凄い爆発音が鳴り響く。
乗客はみんなパニックを起こすが、その時にはもう遅かった。
車体はひっくり返り、車内に物凄い衝撃が伝わる。
窓ガラスが割れ、乗客にガラスの破片が突き刺さる。
その時、大きな破片がシストの身体を貫く。
シストは悲鳴をあげると同時に 「終わった…」 と心の中で思う。
さらに、車体が大爆発を起こし、炎が燃え上がる。
救急隊が到着した頃には、そこは火の海だった。
生存者はいないと思われた。
だが炎の中から一人の男が歩いて来る。
それはシストだった。
その時のシストには火傷も傷も負わなかった。
その時からシストは自分の力に気付きはじめる。
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