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「…い、先生。」
呼ぶ声で現実へと引き戻される。えっと、此処は病院。で勤務中。カルテの整理中に……。
記憶はそこまでだった。
「大丈夫ですか?先生が仕事中に寝るなんて…。」
自慢ではないが確かに有能な医者だ。医学部を主席で卒業の後今にいたる訳だが、最近は院長にならないかと言われる、希望の人材。
そう、寝るなんておかしい。
「大丈夫です。少々疲れただけですから。」
そうは言うものの田中には分かっている。あれは予知夢に近いものだと。
こういう場合はまず間違いなくそうだと決まっていた。
「でも…」
心配そうな声…。まぁそんなに簡単に安心出来ませんよね。
「本当に大丈夫ですから。安心して下さい。それにまだ仕事あるんでしょう?」
そう言って更に微笑めば、簡単に顔を赤らめ仕事に戻った。
ナースに下手な心配かけれませんからね。
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