だから、意味解りません!!

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綾乃の目に涙で一杯になるのに余り時間はかからなかった。 それを田中が見逃す筈はなかった。 そう、普通なら…。 「雄のバカ!」 バタンッ。 大きく音を立てて家を出てってしまった。 な?! 驚くが、行動に移すのは、早い。 毎回の事だ。月に何度も怒らしているのだから。 追い掛けること数秒で追い付く事になる。 それはいい…。 追い付くだけなら簡単なのだ。 けれど機嫌を直すとなると大変なのだ。 毎回苦労する。 分かっていてかかかうのだから、たちが悪い。 「話聞く気あります?」 答えがかえって来ない事くらいわかる。 「まぁ、黙って聞いてくれるだけでいいですから。」 そう言うものの手首を掴まれてるのだ。 聞くしかない。 綾乃に拒否権はない。 「からかい過ぎてすみません。 けど、綾だからからかうんです。 貴女だって分かってる筈じゃないですか? 好きだからかかかいたくなるんです。 貴女だからつい、からかい過ぎるんです。 ホントに困った性格で…。 わかってますよ…。こんな性格のせいだって事ぐらい。 だから、全部私が悪いんです。 だから、もう引き止めませんから。」
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