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「こんにちは」
「……」
仏頂面のままで、腕を組んでいる幅狩さん。
「一つだけ、お聞きしたいんですが」
「…あん?」
「あなたは、薔薇野木 百合さんが誘拐された日…4月10日、何をされていたんですか?」
「仕事だよ」
「では、仕事が終わったのは何時ですか?」
「8時だよ💢」
幅狩さんが段々イライラしてきています。
そこで、伊丹さんが
「杉下警部。質問は一つですよ」
「申し訳ありません。つい、癖で」
「まったく…」
伊丹さんは、仕方ないといった感じでため息を吐きました。
「亀山くん、行きますよ」
「えっ、あ、はいっ?」
足早に取り調べ室を後にする右京さんを、亀山くんが追いかけます。
「右京さん、どこ行くんですか?」
「大河内さんのところですよ」
「何を聞くんですか?」
亀山君が言うと、右京さんは足を止めて振り向き、
「ポーカー食品会社付近の、聞き込み調査書を見せてもらいます。」
「何か役に立つんですかぁ?」
「……確認ですよ。4月10日に、幅狩さんを見た人が、ちゃんといるかどうかのね」
右京さんはそれだけ言い、また足を早めました。
「また"特命係"ですか」
「毎回申し訳ありません。」
「で、何が目的なんですか?」
大河内さんはラムネを頬張り、聞きました。
続く
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