*必殺!一つだけ…*

2/2

90人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
「こんにちは」 「……」 仏頂面のままで、腕を組んでいる幅狩さん。 「一つだけ、お聞きしたいんですが」 「…あん?」 「あなたは、薔薇野木 百合さんが誘拐された日…4月10日、何をされていたんですか?」 「仕事だよ」 「では、仕事が終わったのは何時ですか?」 「8時だよ💢」 幅狩さんが段々イライラしてきています。 そこで、伊丹さんが 「杉下警部。質問は一つですよ」 「申し訳ありません。つい、癖で」 「まったく…」 伊丹さんは、仕方ないといった感じでため息を吐きました。 「亀山くん、行きますよ」 「えっ、あ、はいっ?」 足早に取り調べ室を後にする右京さんを、亀山くんが追いかけます。 「右京さん、どこ行くんですか?」 「大河内さんのところですよ」 「何を聞くんですか?」 亀山君が言うと、右京さんは足を止めて振り向き、 「ポーカー食品会社付近の、聞き込み調査書を見せてもらいます。」 「何か役に立つんですかぁ?」 「……確認ですよ。4月10日に、幅狩さんを見た人が、ちゃんといるかどうかのね」 右京さんはそれだけ言い、また足を早めました。 「また"特命係"ですか」 「毎回申し訳ありません。」 「で、何が目的なんですか?」 大河内さんはラムネを頬張り、聞きました。 続く
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

90人が本棚に入れています
本棚に追加