*ラムネの人と取引*

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「何か用ですか?」 「ポーカー食品会社の社長令嬢、誘拐の件なんですが…聞き込み結果を見せていただきたいのですが」 「……。」 大河内さんはしばらく沈黙。 「…また首を突っ込んで……ご苦労様です」 それに対して、右京さんはいつもの右京さんスマイル✨(何)で返します。 「いえ…」 「仕方ありませんね……貸して差し上げましょう。ただし、」 「ただし?」 亀山君が聞き返します。 「何か、必要なものでもおありでしょうか?」 右京さんスマイル発動← 「私の薬、を、買ってきて下さい。代価はそれで充分です。」 指を顔の前でくみながら、それっぽく言う大河内さん(薬=ラムネですょ)。 「…わかりました。買ってきます」 「交渉成立。はい、書類です。なくしたりしても責任は負いませんから」 「承知しました。亀山君」 「はっはい!」 今まで蚊帳の外だった亀山君は、いきなり呼ばれたので間抜けな返事をしました。 「突っ立ってないで、行きますよ」 右京さんは、するりと亀山君の隣をすり抜けて、さっさと出て行きました。 「……なんだこりゃ」 「聞き込み結果ですよ。たぶん、偽装でしょう」 亀山君が眉をひそめた理由は、あまりにも揃いすぎた意見たち。 「…これは裏に何かありますね」 †つづく†
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