―――浅葱色の恋―――

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鈍い音と共に、凛の体が総司にもたれ掛かる。 総「…凛…?!」 それは凛が急所を刺し損ね、倒れていた男の最後の力だった。 急所を外したとはいえ、大量の出血があったはず。 それでも残っていた、女のとどめをさすだけの力。 凛を抱きしめた手にジワジワと伝わる生温い纏わり付くような感触。 それが血だと、凛の血だと信じたくなかった。 込み上げてくる怒りに、総司は刀を矢のように投げた。 それは男の命を奪うには十分な早さ。 余力のなかった男は呆気なく倒れた。 凛は僅かながら呼吸をしている。 しかし血は止まる事を知らない。 総「…凛………凛っ!!!」 凛「総…司…?」 凛「良かった…無事で…。」 凛は笑顔を見せた。 総司を護り抜く。 自分の命を捨てようとも総司だけは必ず。 それが凛自身が決めた使命だった。  
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