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わたしは、目線を足元に落とした。
「だって黒猫さんが、飛び出したんだもん」
もう歩くのにも疲れたって感じで、
最後の力を振り絞って、ヨレヨレと道路へ飛び出していた。
猫の足跡は、赤い血で点々と続いていた。
―――ねぇ
誰も
猫をいじめないで?
わたしは指をクロスして、ギュッと握り、
祈るように、
瞼を閉じて、言った。
「同じ嫌われ者同士でも、わたしは違う。
わたしは、嫌われていても諦めて死んでほしくなんてないから」
「…‥まだ生きたかったの?」
「うん。
『永遠』、
を手に入れたかった
そして、死にたくない。
一生――…」
もう、遅いけれど…
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