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「君がそんな番組に興味を抱くとはな。意外だ…」
明日把は珍しい物を見た様な目で鈴奈を見る。
「そんなに興味を抱いたなら、家に来るか?父の書斎にはその手の物ばかり置かれているからな…」
「え…?でも、悪いよ…」
突然の誘いに戸惑う鈴奈。
「気にしなくていい。三年前に主を失った本達だ、好きにして構わない。僕はあまり興味無いんでね。それに、君が来てくれれば、要も喜ぶ…」
明日把は優しい笑顔で戸惑う鈴奈にそう言った。
「じゃあ、お言葉に甘えて…」
明日把の父親の所有物だったのなら、少なくとも児童向けよりはましだろう。
鈴奈は明日把についていく事を決めた。
明日把の家に着くと、要が二人を出迎えた。
「お帰りなさい、お兄様…。まあ、いらっしゃいませ、雪森先輩…」
鈴奈を見て、要が太陽の様な笑顔を見せる。
「お邪魔します、要ちゃん」
「雪森は父さんの書斎で調べ物をする。すまないが、書斎までお茶とお茶うけを頼む…」
「かしこまりました、お兄様。では、待っていてくださいね?」
要はにっこりと笑うと、お茶の準備の為にキッチンに向かった。
「こっちだ」
「うん」
明日把についていき、書斎に通される。
その書斎は一般の書斎と違い、オカルト的な物が占拠していた。
「不気味だろ?」
「まあ…少し…。お父様は何をしていたの?心霊作家さん?」
「いや、退魔師だ。自分では吸血鬼専門とか言っていたな」
明日把のその言葉にナイトクロウの資料がある確率が上がったと心の中でガッツポーズする鈴奈。
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